メールの文面を打っていて、行の一番前に戻りたいだけなのに、矢印キーを何回も押したこと、ありませんか?

「Home キーってどこだっけ」と探した末に、結局矢印キーを連打する。地味に時間を溶かしてるやつです。

そう思ったあなた、安心してください。カーソル移動の速さに、センスは関係ありません

矢印キーで消耗している人と、一瞬でカーソルを動かせる人の差は、Macに標準搭載されている隠しキー操作を知ってるか、知らないか。たったそれだけです。

実はMacのテキスト入力欄には、Emacs(イーマックス)という伝説のテキストエディタ由来のキー操作がそのまま組み込まれています。Safariの検索窓でも、メモアプリでも、Slackのメッセージ欄でも、ほぼどこでも同じキーで動く。これを知らずに矢印キーだけで戦っているのは、近道があるのに、わざわざ遠回りしているようなものです。

Emacsそのものを使いこなす必要はありません。この「カーソル移動と編集」の部分だけ、ちゃっかりMacからいただいてしまいましょう。

今回紹介するのは、Macのテキスト編集を爆速にする隠しキー操作を厳選した7つ

1つでも知らないものがあったら、今日からテキスト編集の速度が変わります

【カーソル移動編】矢印キーを卒業する4つ

まずは、カーソルをどこに動かすかをキーボードだけで完結させる4つ。ここを覚えるだけでも、右手をマウスや矢印キーに伸ばす回数がぐっと減ります。

① Ctrl+A:行頭へ一瞬でジャンプ

これ、Macで一番使う頻度が高い隠し技かもしれません。

文章を打っていて「あ、行の最初に戻って直したい」と思った時、矢印キーの←を連打してませんか?

やり方

カーソルを動かしたい行にいる状態で、Ctrlキーを押しながらAキーを押すと、カーソルがその行の先頭に一瞬で移動します。

「Home キーがあるキーボードならそれでいいのでは」と思うかもしれません。ただ、Ctrl+Aならキーボードの配列を問わず、指の位置を変えずに押せます。HHKBのようにHomeキーがないキーボードを使っている人には、特に効いてきます。

② Ctrl+E:行末へ一瞬でジャンプ

Ctrl+Aと必ずセットで覚えるべき技です。

行の最後に文字を付け足したい時、→を連打して待つ、あの時間。Ctrl+Eを押せば一瞬で終わります。カーソルがその行のどこにあっても、Ctrl+Eで行末に一瞬移動できます。

Aは「頭(Ahead)」、Eは「終わり(End)」と覚えると忘れません。この2つだけでも、カーソル移動の8割はカバーできます。

③ Ctrl+F / Ctrl+B:1文字だけ動かしたい時の代役

矢印キーの←→を、指の位置を変えずにやりたい時に使う技です。

キー操作動き
Ctrl+F1文字前(Forward)に進む
Ctrl+B1文字後ろ(Back)に戻る

正直、これは矢印キーそのままでも困らない人が多いはずです。ただ、ホームポジションから指を離さずに細かい位置調整ができるのは、タイピングのリズムを崩さないという意味で地味に効きます。

④ Ctrl+N / Ctrl+P:1行だけ動かしたい時の代役

こちらも矢印キーの↓↑の代役です。

キー操作動き
Ctrl+N1行下(Next)に移動
Ctrl+P1行上(Previous)に移動

③④は、正直Ctrl+A/Eほどの衝撃はありません。ただ、この4つを全部知っていると、右手はほぼキーボードの中央から動かなくなります。矢印キーまで手を伸ばす、あのわずかな移動時間がゼロになるのです。

【削除・編集編】バックスペース連打を卒業する3つ

ここからは、文字を消す・直す動作を速くする3つです。地味だけど、毎日一番よく使う操作かもしれません。

⑤ Ctrl+K:カーソルから行末までを一気に消す

これ、知らないと本当に損している技です。

「この行の後ろ半分、まるごと消したい」と思った時、Deleteキーを何十回も押して待ってませんか?

やり方

消したい部分の先頭にカーソルを合わせて、Ctrl+Kを押す。カーソル位置から行末まで、一瞬で消えます。

長い一文の後半だけ書き直したい時、この技を知っているかどうかで作業時間がまるで変わります。一度使うと、Deleteキー連打には戻れません

⑥ Ctrl+D / Ctrl+H:前後の1文字を消す代役

BackSpaceキー・Deleteキーの代役です。

キー操作動き
Ctrl+Hカーソルの左の1文字を消す(BackSpace相当)
Ctrl+Dカーソルの右の1文字を消す(Delete相当)

ホームポジションから手を離さずに文字を消せるので、タイプミスの修正が地味に速くなります。特にCtrl+Hは、BackSpaceキーの位置が指から遠いキーボード(HHKBなど)を使っている人には効果が大きいです。

⑦ Ctrl+T:直前の2文字を入れ替える(タイプミス修正の裏技)

「あ」と「ぬ」のように、指がひとつずれてタイプミスした時に使える技です。

やり方

入れ替えたい2文字の直後にカーソルを置いて、Ctrl+Tを押すと、カーソルの直前2文字が入れ替わります。

注意

これはアプリによって効き方にばらつきがある技です。テキストエディットやメモアプリでは動きますが、すべてのアプリで同じように動くとは限りません。「効けばラッキー」くらいの気持ちで、まずは自分がよく使うアプリで試してみてください。

まとめ:全部覚える必要はない、まずはこの2つから

7つ紹介してきましたが、全部覚える必要はありません

最初に試すべき2つはこれ。

  • 🥇 ①Ctrl+A(行頭へ)/②Ctrl+E(行末へ)→ カーソル移動のストレスから即解放
  • 🥈 ⑤Ctrl+K(行末まで一気に削除)→ 文章の書き直しが劇的に楽に

この3つだけでも、テキストを打つすべての場面で効いてきます

知っていた数レベル
6〜7個Emacsキーバインドマスター。もう矢印キーは要らない
4〜5個上級者。残りで完璧
2〜3個平均的なユーザー。改善の余地大
0〜1個今が劇的な改善のチャンス

テキスト編集が速い人は、才能やセンスじゃなく、これらのキー操作を知ってるだけです。あなたも今日から、その仲間になれます。

これらのキー操作は、もともとEmacsという数十年の歴史を持つテキストエディタの操作体系がベースになっています。Macを作った人たちがこの操作の便利さを認めて、OS全体のテキスト入力欄に標準搭載した、というわけです。Emacs自体を使いこなす必要はありません。この便利な部分だけ、いただいてしまいましょう

気に入った技は、ぜひ周りの人にも教えてあげてください