筋肉は動物に欠かせない重要な組織。
関節を動かすのが筋肉。心臓を動かすのも筋肉。体温を上げるのも筋肉。普段誰も意識しないところで絶えず働き続けているのが筋肉です。
カッコいい・美しいカラダを作る、免疫能力を高める、カラダの健康を保つ。これらも筋肉によって実現することができます。
筋肉には無限の可能性があるのです。
そんな筋肉の可能性を最大限引き出すためには何をしなければいけないのか。
強化することです!
筋肉は強化することで本来の力を発揮し、カラダに様々な変化をもたらしてくれます。
そこで今回は、筋トレによって筋肉やカラダはどう変わるのかを紹介します。
筋トレでカラダは変わる!?
筋トレによってカラダには変化が表れます。大きく捉えて4つの変化に分類することが出来ます。
『最大筋力の向上』
『筋肥大』
『筋持久力の強化』
『筋パワーの増大』
これらが筋トレによる筋肉の変化です。
最大筋力の向上とは
最大筋力とは、自分が1回だけ持ち上げることが出来る重量のことです。
つまり、最大筋力が向上することでより重いものを持ち上げられるようになるということ。そして、今まで苦労して持ち上げていたものを、軽々と持ち上げられるようになるということです。
これは物に対することだけではなく、自分に対しても当てはまることです。
つまり、よりカラダが動かしやすくなる、思い通りに動かせるようになるということ。
筋トレによって最大筋力が向上すると、日常生活や仕事において疲れにくい・故障しにくいカラダへと変化させることが出来きます。
筋肥大とは
筋肥大とは筋肉が大きくなるということ。筋肥大が起こると筋肉同士にメリハリがつき、カラダのシルエットが変わってきます。
かっこいい体を作りたい、きれいなカラダを作りたいといった場合には非常に重要な要素です。
また、筋肥大が起こることによって同時に最大筋力も向上することになります。
筋持久力の強化とは
筋肉が長い時間、継続的に力を発揮し続けることを筋持久力といいます。
筋持久力が強化されるということは、長時間動き続けても疲れることがなくなるということです。
「日常生活ではそんなに筋肉使わないけど・・・」と思うかもしれませんが、動作をするにも、姿勢を保つにも、何をするにも筋肉が力を入れ続けていなければ動物は生きていけません。
何気ない動きや日常的な生活でも、筋肉は力を入れ続けています。だからこそ、筋持久力を底上げしてより楽に生活を遅れるようにすることは大切です。
筋パワーの増大とは
どれだけ短い時間で最大筋力に到達することができるか。それが筋パワーの増大によって変化することです。
筋パワーが増大すれば、重いものを持ち上げやすくなりますので、買い物や階段昇降など比較的負荷の大きい日常生活を楽にこなすことができるようになります。
筋パワーの増大は、瞬発的な動きを高めることなので、スポーツにおいても非常に重要な要素です。
筋トレの落とし穴を理解しておく!
これら4つの変化を鍛えるためには1つのトレーニングだけではなく、各変化に応じたトレーニングメニューに変える必要があります。
ウェイトの重さ、持ち上げる回数、休憩時間など考慮したトレーニングを行うことで1つの変化が起こるのです。
もしも持久力を鍛えるトレーニングをしているのであれば、筋肥大という変化は起こりにくいですし、その逆のことも言えます。
筋肥大を求めると持久力を強化することが難しくなってしまいます。
ですが、どれか1つの変化にしか特化することが出来ないというわけではありません。
サッカーやラグビーなどの選手は、長時間の試合時間を走り続ける持久力が必要になります。しかし、それと同時にプレスやタックルなど筋パワーを求められます。
つまり、筋持久力にも筋パワーにも優れた筋肉を作ることは出来るのです。
1つのカラダでも4つの変化を共存させることができます。
見た目の良さを演出する筋肥大
長時間力を出し続ける持久力
大きな力を発揮する最大筋力
瞬発的な力を発揮する筋パワー
筋トレとは様々な可能性を与えてくれる素晴らしいものなのです。
カラダは1週間で変わり始める!
トレーニングの効果はすぐにでるのか?
トレーニングを始めるにあたってとても気になることだと思いますが、筋トレには即効性があります。
消費エネルギーアップでダイエット効果あり
例えば週に3回トレーニングすることにしたとします。すると、最初の1週間目からカラダは変わっていきます。その変化は脂肪の燃焼です。つまり、筋トレにはダイエット効果もあるということです。
トレーニングを行うと、普段生活しているときとは比べ物にならないほど筋肉が過剰に活動します。すると筋肉が熱を発するようになります。寒いときに『ブルッ』と震えた経験が皆さんにもあると思いますが、これは体温を上げるために筋肉を動かして熱を生み出そうとしているからです。
熱はエネルギーによって作られるので、熱が生み出されている間はエネルギー消費が大きくなっているということです。そして、熱の産生は筋トレ中だけでなく、筋トレ後38~48時間ほど続くので、その間は筋トレをしていない状態よりも5%ほどエネルギー消費が大きくなると言われています。
成長ホルモンの分泌量がアップ
筋トレをすることによって、筋肉・骨・免疫細胞などの組織を強化する成長ホルモンの分泌量が増加します。
成長ホルモンは肝臓に働きかけることによって、肝臓からIGF-1という物質が放出されて、筋肉や骨の増殖を進めることが出来るようになります。
筋トレをしない普通の生活をしている状態では就寝後に成長ホルモンが分泌されます。『寝る子は育つ!』というのも、このことが関係しているのかもしれません。
しかし、筋トレを行えばその直後から大量に成長ホルモンが分泌されるようになります。
これからの時代は、寝る子は育つ!に加えて、筋トレする子は育つ!といっても良いかもしれません。
その他のホルモンの放出量もアップ
【男性ホルモン】
成長ホルモンの他にもホルモンの分泌量がアップします。その1つにテストステロンという男性ホルモンがあります。
テストステロンが多く分泌されることで筋肉はより成長しやすくなり、体格の引き締め効果がアップします。
【カテコールアミン】
カテコールアミンの分泌量もアップします。
カテコールアミンはアドレナリンやドーパミンといった快感を司るホルモンの原料になります。筋トレ後は疲れても爽快感を感じることが出来ますが、カテコールアミンによってもたらされるものです。
【インスリン】
インスリンは血中の糖に関わるホルモンです。
インスリンが多く分泌されると血液中の糖がカラダの様々な組織へと取り込まれていきます。
高血糖の人が筋トレすることで糖の数値が下がることを期待できますし、生活習慣帽の予防としての効果が期待できます。
筋力もすぐに変化する!?
筋トレを始めてすぐに筋肉がつくことはありません。ですが、筋力となると話は別。
最大筋力は筋トレ後すぐに向上します。
筋肉の構造は、筋線維という細胞が束になって構成されて、この筋線維が力を発揮する源になっています。
ですが、この筋線維は常に100%働いているわけではなく、普段の生活では約30~40%の筋線維しか働いていません。残りの60~70%の筋線維は休憩している状態にあります。
ところが、筋トレを行うと神経からの司令が活発になって、最大60~70%の筋線維は働くようになります。
「筋トレ初日では達成することが出来なかったトレーニングメニューも、3回目くらいからはなんとかこなせるようになってきた」という経験をしたことがありませんか?
筋肉がつくのは時間がかかりますが、神経からの司令を活発にするには短期間で済み、それに伴って最大筋力が向上するのです。